自治体でRPAの導入が進んでいる!自治体で自動化しやすい業務や効果も
目次
多くの自治体において、職員の業務量や残業の多さは課題になっているのではないでしょうか。限られた人材で稼働を確保するためには業務の自動化が有効的です。さまざまな工夫が自治体の業務に取り入れられるなか、注目されている施策がRPAです。都道府県、指定都市をはじめ、多くの地方自治体でRPAが活用されています。
そこでこの記事では、自治体業務でRPAで自動化できる業務やRPAによって実際に何時間もの時間が削減されたかの紹介をします。併せて、RPA導入の壁とその解決方法について解説していきます。最後に自治体が注目するRPAツールの紹介と、その導入事例をご紹介します。是非参考にしてください。
RPAとは
RPAは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略称です。意味としては、ロボットによる業務プロセスの自動化を指し、RPAツールを使って実現します。
少しイメージしやすいように言い方を変えると、「RPAツール上のボタンをクリックしたら人間が指示した通りパソコンが勝手に動く」ことです。
このRPAはパソコン上のマウス操作やキーボード操作を人間の代わりに行うことで、定型業務や単純作業を自動的に処理します。
併せて読みたい! RPAとは何かを以下記事で解説しています
自治体におけるRPAの導入率推移【2024年最新】
自治体におけるRPAの導入状況とその推移を見てみましょう。
出典|総務省「地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」
まず、都道府県における令和2年度のRPAの導入済み団体数は74%であったのに対し、令和4年度には94%となりました。令和5年度では前年に変わらずです。
指定都市については令和2年度で65%であったのに対し、令和4年度には100%となりました。令和5年度も同じく100%です。
一方でその他の市区町村に関しては令和5年度で41%と、都道府県や指定都市に差がついたものの、順調に伸びてきています。更に、実証実験中、導入予定、導入検討中を含めると65%にも及びます。
このように、自治体でのRPAの浸透度の高さや、直近数年間での導入スピードの高さがうかがえます。
併せて読みたい! 以下記事ではデジタル田園都市国家構想づくりにはRPA導入がおすすめであることを解説しています。
RPAが自治体に有用なワケ
前述のとおり、多くの自治体にRPAが導入されていることが分かりましたが、なぜ自治体にここまで広く使われるようになったのでしょうか。理由は大きく2つです。
労働人口の減少
「令和4年版高齢社会白書」によると、以下の通り、日本の生産年齢人口は減り続けており、2060年にはピーク時(1995年)の約半数である、4,793万人に減少すると予想されています。 ※生産年齢人口とは、労働に従事できる年齢層を指します
つまり、働き手が大幅に減少することが予想されております。一方で自治体職員の業務内容は人口の減少によって大幅に減るわけではないため、いかに少ない人数で生産性を上げ、且つ住民が住みよい街になるよう努められるかが重要といえます。
自治体業務にマッチしている
もうひとつの理由は、自治体ならではの以下業務特徴がRPAによる自動化で生産性向上に役立ちやすいためです。
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RPAは人間の作業を模倣するという特性上、データ入力やコピペ、データのダウンロードや集計、メールの作成などの定型業務で且つ、1回あたりの処理件数が多いほど自動化による恩恵を受けやすいものです。自治体の規模にもよりますが、一度に扱う処理件数が多いことが考えられます。
また、自治体といえば日々住民の個人情報を扱っています。データを手作業でコピペ、入力していると、ヒューマンエラーが発生することがあります。RPAは予め指示した通りに必ず動く(逆にいえば指示していない挙動はしない)ことから、ヒューマンエラーの回避になります。
自治体業務の中でRPAに向いている業務
RPAに向いている自治体業務にはどういったものがあるでしょうか。代表的な業務についてみていきましょう。
データ入力
RPAにはさまざまなデータ入力業務を任せられます。RPAは単純な定型業務の自動化が向いており、決められた作業を繰り返し行うデータ入力は得意分野です。たとえば、各申請書やシステムへのデータ入力は手間も時間もかかります。繰り返し同じ作業を続けることを人間は苦手としており、ヒューマンエラーの発生といったリスクも軽視できません。
一方、RPAはデータ入力作業を素早く処理できるだけでなく、指示したとおりに正確な作業を長時間続けられます。定型業務で時間のかかっていたデータ入力はすべてRPAに任せて、職員は他の業務に専念できます。
ダブルチェック
RPAはダブルチェックも得意です。自治体における業務では、住民の個人情報を多く扱うため、ミスが許されない業務が多くあります。限られた時間でミスなくこなさなければならないプレッシャーや高い集中力と根気が求められます。
一方、RPAであればルールに従って、迅速かつ正確にダブルチェックを行えます。たとえば、請求データと入金データの照合作業にRPAを導入すれば、ダブルチェックはすべて自動で行い、エラーが出た場合のみ人が対応するといった運用ができます。
インターネットの問い合わせ対応
インターネットでの問い合わせ対応にも一部でRPAを活用できます。自治体に寄せられる問い合わせの種類はさまざまですが、繰り返し聞かれる内容も多く含まれています。よくある問い合わせの場合、選択式で回答内容が決まっているものであればRPAが自動返信で対応が可能です。
また、RPAは就業時間に制限されず夜間早朝でも稼働できます。問い合わせの受付時間に左右されずに返答を行えるので、住民の満足度向上に貢献します。
データ集計
RPAには面倒なデータ集計も任せられます。複数のシステムからデータを集計する作業は手間がかかります。正確な処理が求められますが、人間が長時間繰り返しているとミスも生じかねません。
この点、RPAは、複数アプリケーションでの同時処理を得意としています。いくつかの異なるシステムやファイルにある情報を集計して確認できるよう、一覧表などにまとめられるのです。また、Webサイトから必要な情報を収集するスクレイピングも行えます。大量のデータを集めて閲覧しやすいように加工処理も行えるので、作業効率を大幅にアップできます。
併せて読みたい! 上記以外にもRPAで自動化できる業務はさまざまです。以下記事も併せてご覧ください。
自治体でのRPAによる効果
総務省のデータによると、導入市区町村の人口規模別で以下のような効果が報告されています。
まずは30.1万人の人口規模の例では財務会計関連業務で年間282時間削減、国民健康保険関連業務で年間1,227時間削減、そのほかには生活保護関連業務で年間2,120時間削減、庶務事務関連業務で年間275時間削減、後期高齢者医療関連業務で年間141時間を削減。
次に、12.9万人の人口規模の例では、小学校の諸課題集計において年間192時間削減、保健所入所登録において年間140時間削減、そのほかには休職中職員の給与控除金の納付書作成において年間120時間削減、小学校の事業アンケート集計において年間30時間削減、給付金の財務会計システム入力作業において年間12時間の削減。
3.5万人規模の人口規模の例では、預かり保育料決定業務で年間822.7時間削減、高齢者予防接種事業で年間217.8時間削減、小児予防接種事業で年間477.5時間削減、保育所入所申込業務で年間233.4時間削減、就学援助業務で年間82時間の削減でした。
このように、さまざまな人口規模の地方自治体で多くの時間をRPAで削減できていることがわかります。
「自治体におけるAI・RPA活用促進」(総務省)を加工して作成
※当社サービス「マクロマン」の事例ではございません。
自治体でのRPA導入時の壁と解決方法
自治体でRPAの積極的な活用が広がっていますが、導入の妨げとなるハードルも存在します。ここではRPA導入時の壁を4つ解説します。
コスト
まず、RPAの自治体への導入で壁となるのがコストです。RPAツールは基本的に有料であること多く、このRPAツールをつかいこなす人材への教育コストもしくは外注コストが発生します。そのことから、結果的に高額になってしまうこともあります。
特に、自治体の場合はRPAの導入費用や運用費用もすべて住民の税金で運営しているため、コストを多くかけられないことが多く、RPAツールやRPAの外注先比較時に重要な検討要素のひとつです。
コストのリスクを少しでも軽減するためには、トライアル期間を利用して比較しましょう。なかには無料のRPAツールもあるので、積極的に利用してみましょう。
併せて読みたい! RPAにかかる費用の解説をしています
RPA人材の不在・不足
RPAの導入を進めるための人材について、不安を抱える自治体も目立ちます。RPAにおけるプログラムの作成や運用には、スキルや知識が求められる場面があり、RPAツールを扱える人材が必要です。
実際に、総務省のデータによると、RPA導入に向けた課題としては「RPAに取り組むための人物がいないまたは不足している」と回答が1番多くありました。「RPAの技術を理解することが難しい」という回答も、令和3年から比較し、令和5年では徐々に増加しています。
出典|総務省「地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」
このように、RPAへの知見がなく、庁内で導入や推進をすることができない自治体も多いかと思います。この場合、以下2つの方法を検討することをおすすめします。
■RPAツールを扱える人材がいる場合
- 国産のRPAツールを選択する
RPAツールのなかにはマニュアル等が英語のものも一定数存在するため、誰でも取り扱いができるよう、日本語対応が問題なく出来るツールだと安心です。
- 且つサポートが充実しているツールを選択する
RPAツールには思った通りに動かない、エラーの対処法が分からないなどのトラブルはつきものです。こういった場合に、サポートが充実しているRPAツールだと安心でしょう。
■RPAツールを扱える人材がいない場合(RPAへの知見がない場合)
- 外注をする
RPAのプロにすべて任せることも選択のひとつです。自動化したい業務のスクリプト(シナリオ)を作成する工程だけでなく、RPAには定期的な保守が必要になります。また、ルールが途中で変わった場合にはスクリプト(シナリオ)を変更する作業が必要になります。イレギュラーが発生した際にもプロに任せられますし、教育コストを抑えて本業に集中することができます。
- 内製化支援を利用し、外注から徐々に内製化
RPAに関する基礎知識や注意点などの教育や、RPAツールの操作方法のレクチャーを委託する方法です。職員がRPAツールを使って日々の業務を自動化できるように教育をします。これにより庁内にナレッジが蓄積されるメリットがあります。
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利用システム等との親和性
自治体で利用をしているシステムは、民間企業が使っているシステムと異なることがあり、自治体専用で開発しているシステムなども多く存在します。その理由は自治体専用のセキュリティ企画に準拠しているためです。
この兼ね合いから、それらのシステムとRPAツールの親和性次第ではせっかく導入をしても使えない・使いにくいといったことも発生しかねません。そのため、システムとRPAツール間の親和性はトライアル期間中等に十分にお試しいただくことをおすすめします。
セキュリティ
住民の個人情報を大量に扱っている自治体だからこそ、情報漏洩を防ぐセキュリティ面は非常に重要な要素です。
RPAツールの種類によってはインターネット回線を繋ぐ必要があるものも多く、RPAツールに限ったことではありませんが、ハッキング等の被害の可能性もゼロではありません。
そのため、インターネットに接続しなくても利用できる(オフラインで利用できる)RPAツールを選択すると良いでしょう。
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自治体がRPAツール選定時に気を付けておくこと
自治体は一般企業と比較すると、インターネットに繋いでいない状態でRPAを利用したいというニーズが多い傾向がみられます。オフラインで使える(インターネットに接続しなくとも使える)RPAとして「デスクトップ型」のRPAツールであれば利用可能です。
でのRPA導入には350以上の自治体がダウンロードした「マクロマン」がおすすめ!オフラインでも利用可能
自治体でのRPA導入を検討の際は、現在自治体からのニーズが急上昇中の完全無料RPAツール「マクロマン」がおすすめです。その理由を以下でご紹介していきます。
完全無料の国産RPAツールである
「マクロマン」は完全無料の国産RPAツールとして2018年に誕生しました。RPAを導入したいと考えていても、コストがネックになってしまうケースが少なくありません。トライアルでは無料で試せる期間が短く、充分に使いこなせないまま期間を追えてしまう、という事も多いのではないでしょうか。
この点、「マクロマン」であればRPAツールは期間の縛りがなく、どれだけ使用しても無料です。利用人数や使用可能な機能に一切の制限はありません。業務効率化といった課題を解決して運用するまで、期間無制限にRPAツールを利用できるのです。無料で利用できるため企業だけでなく、自治体を含む団体や学生の方、個人事業主の方など幅広くご利用いただいています。
オフラインで利用可能なのでセキュリティ面も安心
ダウンロード後はオフラインでの使用も可能なため、パソコンの盗難等の物理的な盗難がない限り、情報漏洩リスクを回避できます。また、WEB上のファイルだけではなく、ローカルファイル自動化をすることもできます。
※勿論オンラインでもお使いいただけます。
多くの自治体がダウンロード
現在、8,000社以上にダウンロードいただいており、そのうちの350以上が自治体です。
日々の業務を自動化できる
マクロマンを導入すれば日々のさまざまな業務を自動化できます。マクロマンが得意とする5つの業務タイプをみてみましょう。
マクロマンが得意な業務 | 具体例 |
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データ入力 |
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データ集計と分析 |
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データ照合 |
伝票/申請書入力内容/報告書の
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メールの送受信 |
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情報検索 |
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マクロマンが得意な業務を整理してみると、実際の自治体の仕事でさまざまな自動化を行えそうだとイメージできるのではないでしょうか。
マクロマンはプロダクトベンダーではなく、人材派遣会社である当社が開発しました。人材派遣会社として培ってきた業務自動化のノウハウがマクロマンには詰まっています。
マクロマンの特徴や機能、どこまでが無料でどこからが有料かについては資料をぜひご覧ください。
自治体での「マクロマン」導入事例
福岡県大川市では、無料RPAツール「マクロマン」と、マクロマンで自動化をするための要件定義やシナリオ作成(RPA開発)部分を「RPA女子」にアウトソースする事により、健康課で月に1回行っている支出命令書作成業務を自動化しました。
実際の導入にあたっては、RPA化の候補となった4つの業務を「RPA女子」による業務環境確認をし、RPAツールで自動化するためのシナリオ作成の代行を行いました。この自動化により、作業時間の短縮をしています。
「マクロマン」自体はデスクトップ型RPAであるため、ネットワーク変更などの前準備が不要で、且つ無料で利用できることから、”年度越え”の予算要求を行う必要が無く、導入を進めていくことができました。
サポートつきでスピーディーに自動化!
マクロマンには選べる様々なサポート体制があります。以下サポートは有償のサービスですが、必要な時だけ利用できるのでコストカットを実現できます。安心の2つのサポート内容は以下のとおりです。
チャットによるヘルプデスクで、すぐに操作方法に関する質問ができます。ほかにも、最初の1つ目のスクリプト(シナリオ)は当社が作るのでスピードアップ!(条件あり)
更に、そもそもRPA化できる業務が何か分からない・・という場合にはRPA化できる業務の洗い出し会を実施します。これらの手厚いサポートがついて月額4万円のお得なパックです。シナリオ作成につまづいてなかなか先に進めない、何からRPAをはじめたら良いか分からないという方におすすめです。
マクロマンの開発元である当社の正社員であるRPA女子が、外部委託先としてマクロマンを導入後のサポートします。リモート対応からフル常駐でのサポート、内製化支援まで柔軟に対応しており、お客様の課題を解決に導きます。
また、内製化支援でRPAの定着をサポートします。RPA女子の力を借りることで、業務効率化を実現できます。
RPAの各種サポートに関する資料は、以下よりダウンロードいただけます。是非ご覧ください。
この記事の監修者
コクー株式会社
RPA事業部 エバンジェリスト
吉田 将太
RPA事業部の立ち上げとして、営業・RPA開発・研修講師を経て、2023年1月にエバンジェリスト着任。
RPAやRPA以外の技術を使って業務効率化を目的にした様々な開発に携わる。この経験から300名以上の研修講師を務める。