RPAの社内・全社展開のポイントを徹底解説!基本の流れやコツをご紹介
目次
RPAはひとつの業務、ひとつの部署での利用にとどまらず、全社展開することで業務効率化の成果が大きくなります。
この記事では、RPAを社内展開する際の流れと成功させるポイントを解説します。社内展開を成功させるポイントのひとつである研修・サポートの取り組み事例もご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
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RPAの社内展開はなぜ必要?
そもそもRPAの社内展開は具体的にどのような理由で必要なのか、4つの理由をご紹介します。
会社や組織全体の生産性を向上できるから
RPAを社内展開し、定型業務を全社的に自動化することで、下記のようなRPA導入効果を組織全体に波及させることができます。これにより会社全体の生産性が向上するでしょう。
- 業務フローを見直せる
- ヒューマンエラーを削減できる
- 従業員のITリテラシーが向上する
RPAのシナリオを作る際に必須である業務フローの見直し(可視化)では、これまでの業務フローに存在したボトルネックを発見できる可能性があります。結果的にRPAで自動化しなかったとしても、無駄なフローのカットにつながるはずです。
またRPAで業務を自動化すれば、24時間稼働でき、ヒューマンエラーも発生しません。RPAは使用に際して一定のITリテラシーが必要なので、従業員社員のITリテラシー向上にもつながるでしょう。
管理の属人化を防げるから
RPAを全社展開することで、担当者一人だけがRPAの運用方法や自動化範囲を知っている状況を回避し、管理の属人化を防ぐことにつながります。
RPAの管理が属人化していると、引継ぎに時間がかかったり、担当者の異動・退職によってRPAを管理できる人がいなくなったことで予期せぬ動作を行う、「野良ロボット」化するリスクがあります。社内でRPAの使用範囲を拡げる際は、RPAの担当者も部署ごとや自動化業務ごとに設置することが多いので、結果的に属人化回避の可能性が高まるでしょう。
企業の競争力を高められるから
RPAの全社導入で社内のより多くの定型作業を自動化することにより、従業員がコア業務に集中できる時間が増えます。
同じ従業員数や予算感であれば、与えられたリソースを効率的に活用できる企業の方が競争力は高いといえるでしょう。RPAを導入している企業は、していない競合企業に比べて、従業員が顧客対応や商品の品質向上により力を注げるようになります。
導入ツールによっては、より一層費用対効果が高まるから
利用人数が増えても使用料金が変わらない料金システムのRPAツールを導入した場合、社内展開することで費用対効果が一層高まります。
完全無料RPAツール「マクロマン」は利用料が無料で使用人数の制限もないため、社内展開によってコストが増加することはありません。有料のサポートサービスに関しては、必要な分だけ契約するシステムなので利用人数が増えるほど費用対効果が期待できます。
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RPAの社内展開における2つの流れ
RPAの社内展開には「同一部署で自動化する、業務を拡大する」と「RPAを利用する部署を広げる」の、2つのフェーズがあります。どのタイミングで後者のフェーズに取り組むかによって、展開方法は2種類に分けられます。
一つの部署内で自動化し、できる業務幅を増やしたうえで社内展開する
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特定の部署内の一つの定型業務から自動化を開始し、成功したら次に同部署内の他の業務を自動化、最終的にその部署での経験をもとに他の部署へ横展開する方法です。
この方法の場合、最初の部署Aでの自動化段階でシナリオ作成担当者と操作担当者を決めておく必要があります。さらに他部署へ展開する際には、各部署でRPAを操作する担当者も決めましょう。
導入段階で社内展開し、同一業務の自動化後、業務幅を増やす
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最初の導入段階から複数の部署で発生する定型業務を、部署横断で同時に自動化する方法です。最初から複数部署での導入を前提に体制を組むので、一つの部署の一つの業務から導入を開始するより、初期段階での展開範囲は広くなります。
一つの業務の自動化に成功したら、他の業務の自動化も進めていきます。自動化業務を拡大する際は、導入時と同じように部署横断で進めるケースもあれば、最初の経験をもとに各部署で進めるケースもあります。
このように部署横断で共通する業務を自動化する場合は、部署ごとの担当者ではなく業務ごとにRPAの操作担当者を設置しましょう。
併せて読みたい! 社内展開前の導入段階の手順について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
【担当者別】RPAの社内展開におけるポイント
RPAの社内展開における分担は、社内にRPAの知見者がいる場合といない場合で異なります。それぞれのポイントを見てみましょう。
RPAの知見者がいる場合
RPAのシナリオ作成はRPA知見者が、実際のRPAの操作は現場担当者が行う |
社内にRPAの知見者がいる場合は、その人物にシナリオ作成を任せましょう。
どの業務を自動化するかを検討し、自動化業務の作業フローを洗い出す作業は現場担当者が行い、シナリオ作成者は現場担当者からの情報に基づいて自動化のシナリオを作ります。
運用開始後は、日々のRPAの操作は現場担当者が行い、IT部門は問題が発生したときのテクニカルなサポートを行う形で業務を分担しましょう。RPAの導入や日々の運用においてエラーの発生は避けられないので、その対応についてもシナリオ作成者と現場担当者の間で決めておくことが必要です。
RPAの知見者がいない場合
RPAのシナリオ作成と実際の操作をどちらも同じ担当者が行う |
企業によっては、社内・部署内にRPAについて知見を持つ人がいない場合も少なくありません。プログラミング知識を持つエンジニアなどがいれば、シナリオ作成を行いながらRPAの知識を習得していくと良いでしょう。いずれの知識を持つ人がいない場合は、操作を行う現場担当者がシナリオ作成者を兼任する必要があります。
このように現場担当者が操作からシナリオ作成まで一括で行う場合は、プログラミング知識がなくても直感的に操作できて、サポートが充実しているRPAツールの導入がおすすめです。RPAベンダーによって対応範囲が大幅に異なるので、よく比較して決めましょう。
また、必要に応じて、導入支援会社のサービスの利用も検討しましょう。どのRPAベンダーが良いかの選定からサポートしてくれます。
併せて読みたい! RPAの導入支援会社の比較はこちら
RPAの社内展開をうまく進める6つのコツ
RPAの社内展開を成功させる6つのコツについて解説します。
事前にRPA担当者の役割を明確にする
導入準備の段階で、RPAで自動化したい業務の洗い出しとともにシナリオ作成担当者、現場の操作担当者をそれぞれ決めましょう。ここで役割を明確にしておかないと、RPAの導入における各手順が正確に進められなかったり、緊急時の対応が遅れる可能性があります。同じ理由で、部署単位で自動化を進めていく場合は部署ごとに、部署横断で自動化を進めていく場合は業務ごとに担当者を設置しましょう。
どちらのケースでも、誰がどの範囲まで担当するのか綿密に詰めておくと安心です。社内に情報システム関連の部署がある場合は、現場の操作担当者との役割の棲み分けも行っておきましょう。
またこの際、日常業務の担当範囲だけでなく、緊急時も想定し、トラブル発生時は現場の操作担当者がRPAを一時停止させる、シナリオ作成者が原因追究を行うなど、誰がどのような対応をするか決めておく必要があります。
担当者にRPAの必要性を正しく理解させる
RPAにかかわらず、MAやCRMなどのデジタルツールを導入したものの、十分に活用されていないというケースは少なくありません。
RPAツールの導入・展開を成功させるには、担当者が意思を持って進めていく必要があります。意思を持ってもらうためには、担当者へ向けてRPAのメリットを伝えるだけでなく、RPAを使用しない場合のデメリットを共有することが大切です。RPA化を行わないことで、ヒューマンエラーにより顧客満足度に影響が出る、残業を行う従業員が増えるなど、どのような危機が待ち受けているのかを共有しましょう。
事前勉強会や共有会を開催する
RPAを社内展開するに際して、ロボットに仕事を奪われることにネガティブな感情を抱く従業員がいるのは珍しいことではありません。RPAに関する情報共有会などによって、業務自動化がワークライフバランスの向上、働き方改革の推進につながることをしっかり伝え、他部署やチームでも真似したくなる状況をつくることが大切です。
また適切に社内展開を進めるという意味でも、従業員への事前勉強会・研修は欠かせません。業務の属人化を防ぐためにも会社全体でITリテラシーの向上を目指しましょう。
当社コクー株式会社にはRPAに関する研修のご要望を多くいただいております。
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小規模に展開(≒スモールスタート)する
社内展開を進める際、最初は自動化する業務の幅を絞るのがおすすめです。小規模な業務での展開を成功させた後、次の業務の自動化を行うというフローを繰り返していくことで、効率的に社内展開を進められます。
一方、最初から大規模な進捗を狙って自動化する業務の幅を広げると、稼働までのプロセスが複雑になり、思わぬ見落としから「手戻り」が発生するリスクが高くなります。手戻りが発生すると、時間とコストの無駄遣いになるだけでなく、RPAを活用しようとする従業員の熱意をそぐことになりかねません。小さな成功を積み重ねていくことで、少ない負担感で社内展開できるでしょう。
運用ルールやマニュアルを作成する
RPAの社内展開をスムーズに進めるには、ツールのベンダーが用意している使用マニュアルを確認する他に、自社で作成したシナリオや経緯、運用ルールについてまとめた独自マニュアルの作成が有効です。
RPAを操作する前段階の業務の可視化のポイントもマニュアル化されていれば、社内展開がスピードアップするでしょう。また、RPAを社内展開するうえで、全社的な運用ルールとトラブル発生時の対応手順を定めておくことが重要です。運用ルールが明確に決められていないと、各部署である程度RPAを使えるようになった後に、自動化の重複などの予期せぬトラブルが発生するリスクがあります。
また初めてRPAを操作する担当者からのよくある質問や疑問を、その場の回答だけで済ませずに、FAQとして蓄積しておけば、質問する人と回答する人の両者の負担を軽減できるでしょう。
必要に応じて支援サービスを利用する
RPAを社内展開しようとすると、社内のシナリオ作成者、現場担当者だけでは解決が難しい問題がかならず出てきます。そんなときは、担当者の負担を減らす意味でもベンダーのサポートを利用するのが得策です。プロの支援を受けることで、より効果的な運用方法が見つかることもあります。
支援会社やサービスによっては、社内展開が得意な会社もあります。会社やサービスによって特徴があるので、比較しながら自社に合うものを選びましょう。
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RPAの社内展開に向けた研修・サポート導入事例
RPAの社内展開を推進するために実施された研修・サポートの導入事例を2つご紹介します。
サミー株式会社
遊技機メーカーのセガサミーグループは、グループ全体へのRPA展開のために、十数回に渡りセミナーを開催しました。セミナーにはグループ9社から延べ300名が参加。グループ内のRPAユーザーのすそ野が広がりました。
セミナーでは実際にRPAツール「マクロマン」を操作する時間もあるため、参加者は「自分にもRPAツールが使えた」という経験を現場に持ち帰ることができます。結果的に、RPAの理解者や実践者が社内に点在するように。今後はこの「点」を「線」や「面」に広げて、グループ全体のRPAによる業務自動化を推進していく予定です。
株式会社四国銀行
四国銀行は、顧客企業の採用難による人手不足や業務効率化が進まないなどの悩みを解決するために、無料のRPAツール「マクロマン」を使ったセミナーを開催。RPAとは?の講義から始まり、最後には参加者が自分で一つのシナリオを作成できるようになりました。
口頭の説明だけではどうしても分かりづらかったRPAの操作方法も、参加者一人ひとりに合わせた指導でわかりやすく解説し、大きな成果をあげています。
まとめ
RPAは社内展開することで、業務効率化の成果が大きくなり、企業の競争力が向上します。ツールによっては、費用対効果もアップします。
RPAを社内展開する際の流れは、一部署でスタートするか、全社で共通する一業務でスタートするかによって変化します。また、社内にRPA知見者がいる場合といない場合とで、担当者の置き方も変わってくるでしょう。会社の体制ごとに正解があるので、自社の状況を整理しながら、無理なく進めていきましょう。
社内展開するほど費用対効果が高まる「マクロマン」
RPAツールを導入中の方も、これから導入予定の方もおすすめなのは「マクロマン」です。無料でずっと使えて、何人のパソコンにも無料でダウンロードしていただけるため、社内にいくら展開してもライセンス費用がかさむ・・という悩みが発生しません。
もしも社内に知見者がおらずRPAの社内展開にハードルを感じているなら、「RPA女子」のサポートがおすすめです。
RPAの社内展開をサポートする「RPA女子」
「マクロマン」は完全無料のため、有人のサポートを「RPA女子」などのサポートサービスで有償としています。
「RPA女子」ならRPAおよび「マクロマン」の知識を踏まえて社内展開を支援します。RPAツールを「マクロマン」で導入し、導入初期や複雑なシナリオを作成時など、サポートが必要な際はRPA女子を利用することで、固定費を最小限に抑えた状態でRPAを社内展開することができます。
常駐派遣、1日単位のスポット派遣のほかに遠隔でのサポートにも対応しているので、社内の状況に合わせて柔軟に利用できます。研修などにも対応しており、お客様のオーダーに併せてご対応可能です。
この記事の監修者
コクー株式会社
RPA事業部 エバンジェリスト
吉田 将太
RPA事業部の立ち上げとして、営業・RPA開発・研修講師を経て、2023年1月にエバンジェリスト着任。
RPAやRPA以外の技術を使って業務効率化を目的にした様々な開発に携わる。この経験から300名以上の研修講師を務める。