医療機関におけるDX化が求められる中、病院全体としてのDXは進んでいるものの、
細かな業務では依然として煩雑な作業が多く残っていることが課題となっています。
これを解決する手段の一つとして、RPAの導入を検討しており、
以下①の業務は入退院事務、②の業務はリハビリ部からの依頼を受けて、
システムエンジニアである私がマクロマンの導入・スクリプトを作成をして自動化しました。
現在、岡山旭東病院で「①病棟管理日誌の印刷」を、
岡山リハビリテーション病院で「②部門システムからのデータ抽出」を自動化しています。
①病棟管理日誌の印刷
※毎朝8時と夕方16時にタスクスケジューラー機能で計画実行
→「①病棟管理日誌の印刷」では毎日5分×2回(1日あたり10分)の作業時間がゼロになりました。
5分程度の業務が削減のため、勤務時間に大きな変化はないが、心理的な負担は多少なりとも軽減されたと考えられます。
②部門システムからのデータ抽出
→「②部門システムからのデータ抽出」では従来、この作業を毎朝誰かが手動で実行する必要がありました。
病院は365日稼働しているため、その日に本作業をする担当者を決める難しさに加え(作業自体は5分程度と短いものの)、手間がかかることが課題となっていました。
しかし、RPA「マクロマン」の自動化により、特定の担当者に依存することなく運用できるようになりました。
RPA(による業務自動化)に興味がある職員へ声をかけ、毎日同じ作業を繰り返している業務をピックアップしててもらいました。そのなかからRPAで実現可能そうな業務を選定し、スクリプト作成に取り組みました。
病院によってはRPA専用のPCではなく、複数の職員が使用する共用PCを利用することもあるため、
自動実行中に気づかずに職員がPCに触れてしまうことで、誤操作が発生することがあります。
これを防ぐために、マクロマン専用のPCを1台用意しておくことが望ましいでしょう。
また、日誌の印刷については、日誌を抽出する際に時間がかかるため、スクリプトでは次の作業へ移るまでの間に待機時間を多めに設定しているため、その関係で手動で実行したほうが早い場合もあります。そのため、PCを使用する予定がある際はついでに手動で実行するケースもあるため、状況に応じて使い分けるのが良いかと思います。
スクリプトの作成は、ある程度PC業務を得意とした職員が担当するほうが良く、
医療機関を例にすると、システム担当者などが望ましいです。